バイアグラは糖尿病だと使えない!

NOとバイアグラ

NOとバイアグラ

一酸化窒素・NOは体内に存在し、しかも生理的に重要な働きをしている、ということに対して違和感を持つ人もいるかもしれないです。

 

一酸化窒素といえば、大気汚染の原因物質の代表的な者の一つとして新聞などで大々的に取り上げられることが多く、いわば悪玉としての印象が強いのではないでしょうか?

 

ここで簡単に、生理活性物質としてのNOについて説明します。NOは最近ようやく話題にされるフリーラジカルと総称されるものの一つで、酸素分子や二酸化窒素などとともに、常温ではガス状で存在しています。

 

このNOが自動車のエンジンやごみ焼却炉からではなく、生体内でも作られて、しかもそれが、非常に多彩で、重要な働きをする生活利活性物質の一つであるということがわかってきたのはまだ最近のことなのです。

 

そもそも、NOは1980年代の初め、血管内皮由来の平滑筋弛緩因子、すなわち、血管内膜にあって、血管平滑筋を弛緩させて拡張させる物質といて発見されました。
この発見を契機として、世界中でNOに関する研究が行われ、おびただしい数の報告がみられるようになりました。

 

こうした結果、NOの多様な生理活性は、心臓や血管系だけでなく、神経系、消化器系、免疫系、さらには腎臓や内分泌系にまでも作用していることがわかっています。今や生体内ではNOとかかわりのない部分を探す方が困難といっても良いくらいです。

 

血管系におけるNOの作用機序は次のように理解されています。かなりややこしくなりますが、バイアグラの秘密を解明するためにも、どうしても必要なステップですのでしっかりと理解しましょう。

 

まず、血管内皮ではNO合成酵素の働きで、Lアルギニンというアミノ酸の1種から一酸化窒素が生産されます。NOは平滑筋の中にある可溶性グアニル酸シクラーゼという酵素に作用して、これを活発に働かせる。活性化されたsGCの働きで、同じ平滑筋細胞内のグアノシン3リン酸GTPと言う物質から、冠状グアノシン1リン酸cGMPが生成されます。ここで生成されたcGMPが、血管平滑筋を弛緩させ、血管の格調が引き起こされます。

 

血管毛区長の役割を終えたcGMPは、ホスホジエステラーゼPDEという酵素によって分解されて、その働きが失われて、拡張した欠陥ももとの状態に戻ります。このNOからcGMPに至る経路(NO−cGMP経路)は、血管の格調、血圧の調整などに極めて大きい影響を及ぼしています。バイアグラの開発の出発点も、この一連の経路に薬黙して、心臓を栄養している感動脈の拡張を目的としたものです。

 

つまり、バイアグラはNO‐cGMP経路にあって、最終活性物質であるcGMPを分解し、その働きを止めてしまうという酵素PDEの作用を阻害する薬物として開発されたのです。PDEさえ働かなければ、cGMPは活性を失わず、血管拡張作用を維持するという理屈です。いつ起こるかもしれない狭心症や、心筋梗塞の発作におびえる虚血性心疾患の患者の苦痛を和らげることができるはずです。

 

開発に携わった研究陣廃酸で、バイアグラを実際に患者に投与する臨床試験に着手したに違いありません。結果は残念なことに、目的とする狭心症そのものには大した有効性が確認できないというものでした。

 

落胆する研究陣に奇妙な現象が報告されました。
臨床試験を受けた患者の中に、狭心症の苦痛からはあまり解放されないはずなのに、この薬を鈴家手投与してほしいと希望する男性が続出したのです。

 

よくその理由を聞き、調査してみると、この男性たちはバイアグラを服用しだしてから、すでにあきらめていた勃起能力が回復し、あるいは勃起が以前より強くなったという事実が明らかになりました。

 

心臓の痛みの原因となった動脈硬化症は、ペニスの猛々しさも奪っていたのであったが、バイアグラは丈範氏の中心である心臓ではなく、下半身にあって、男性の中心ともいうべきペニスにその強大な効果を発現したのでした。

 

研究陣はこの事実を見逃さなかった、改めて、勃起障害・ED治療薬としてのバイアグラの可能性に研究の目は向けられました。本来なら、副作用として取り上げられるはずの事実が、狭心症治療薬としては価値が無いと判明したがゆえに方向転換がなされ、画期的な勃起不全治療薬として生まれ変わったのです。